暑い夏がようやく終わり。
すっきり気分でお散歩。
コロコロポンポンのびのび歩く
日差しが今日は気持ちいいいい。
緑の紅葉が黄色に光る
柔らかくて美味しそう
ちょろっとなめてかじって
登って歩いてまた楽しい
やあ、こんにちは。元気?
名前なんていうの?
私はたぬきだよ。たぬきのたぬきち。
いつも森を散歩しているんだ。
おいしい果物も見つけたよ。
やっぱり秋は良いね。
どうしたの、君は?
道に迷ったまぁ?疲れてお休み中?
それとももしかしてお菓子食べてるピクニック?
僕もちょっともらっていい?一緒におしゃべりしようよ。
向こうから柿の実とってきてあげるよ
なんだって、道に迷っちゃった?
そっか大変だね。
柿の実食べて休んで居なよ。
はいどうぞ。
へーずっと歩いてたんだ。がんばるね。
この森はね、ちょっと不思議なんだ。
歩いて歩いて進んでいる人には答えは出てこないんだ。森の端は見えてこない。
でも、疲れて休んだ人には、突然、道が、木の間に見つかるんだ。
魔法の森なんだよ。
え、よかったー。柿食べたら少しホッとした?そうなんだー。
この柿の木はもう1000年も生きている特別な木なんだ。だからきっと元気でるよ。
あっそう眠くなっちゃった?少し。そうだよね、ずっと歩いてきたからちょっと疲れてるよ。
大丈夫、この森は魔法の森だけど、悪い奴はいないんだ。
迷い今年もみんな楽しく暮らしてる。そして答えを見つけていつか出て行くんだ。
もちろんだよ、出られるよ。
でも急いだら道が出てこない。
そうだ、この近くに僕の家があるんだ。そこでゆっくり少し寝ていたら良いよ。
そしたら疲れも取れて元気になるし、きっと道も現れるよ。
え、悩む?そうだね。でもでもここにいたらちょっと寒いよ
僕の家、実はお菓子の家なんだ。昔話みたいね。
そこであったかいお布団あるし、柿より下記よりおいしいご飯たくさん出してあげる。
うん、じゃぁ行ってみよっか。立てる?よかった。
こっちだよ。
季節が来たよ
日差しが丁度良くなった
気温も気持ちいい
水もたくさんあるね
体も元気で力が湧いてくる
そろそろ始めよう
一番いい時期だ。力いっぱいやってみよう。
他の仲間も枝を伸ばし始めたよ
何色がいい?花びらは何枚がいい?
いくつ花を咲かせようか
おいしい蜜をつける?蟻さんが来てくれるかも
でもやっぱり王道の紫の小さい花
優しい色と柔らかい花びら
これが一番きれいだね
ほらだんだん増えてきた
きれいな紫の花が咲いてるよ
私も仲間に加わろう
一番目立ってたくさん光を浴びるんだ
さぁ、つぼみができた
花粉もできた
後はゆっくり開くだけ
そして種を作って、来年もきれいに咲かせよう
秋が来た
お花の季節
目の前の壁、ツルツル滑る、高い壁
登っても登っても終わりそうにない
登りきれる気がしない
高すぎる、急すぎる壁
でも登りたい、登らないと終われない
外に進む場所もない
なんとかしたい
立ち止まってみる、上を向いてみる
蟻ん子になった気分
上から植物が垂れている、コケが生えてる
湿ってる、水が降ってる
手をかけてみる、手を出してみる
つかまる場所がある
一歩一歩、進んでみる
はなまる、はなまる
どこかに通じる
きっとまわり道をとって
壁の端を通って
家に行く、旅行に行く
抜け穴がある、壁のむこうの別の世界に行く
なんだっていけるよ
つかんでみる
指が冷やっとする
苔の匂いがする
足音がする、聞こえてくる
大丈夫、何か方法がきっとある
ほら、笑顔になった、足が前に進んでる
飛び込んだらどこに行ける?
山の上の神社の中の古い井戸
ちょっと小ぶりだけど苔むした井戸
水が少し溜まっている。
魚はいない。
底も見えない。
空を見上げて、高い木々の枝葉が動く。
水面に秋晴れの空が映る。
いつからあるの?
何がある?声をかけてみる?
聞いてみる。
村上春樹みたく、どっかに通じているかも。
別の世界、別の井戸、神話の小人。
覗いて映るのは自分の顔。
水の上の普通の顔。
山から風が降りてくる。山から風が降りてくる
木の葉を揺らす。音がする。
水面を揺らす。
井戸の上の落ち葉が揺れる
こっちにおいでと呼んでいる。
行ってみよう向こうの世界。
きっと小人に会えるから。
何かの冒険が始まる。
@石清水八幡宮
木の枝の上に白い布団。ちょっと灰色、なんだろう。
ちゃんと枝に飛び乗って、ぴょんぴょん跳ねて近づく
周りを注意ぐるっと見回す。大きなカラスがいるかもね、蛇かも。
大丈夫。さあこの枝に張り付いているのは、美味しそう
キノコみたい。ちょっとずつついばんで剥がして。
味はしないかな。柔らかくて、少し柔らかい。
横に親が飛んできた。一緒についばむ。
これおいしいの?食べれるの?
問題ないよ一緒に食べよう
ペリペリパリパリ、つんつん、ごくん
おなかいっぱい、朝ご飯。
ああ、小鳥が来た。小鳥が来た。
ちょうどよい家なのに。奥に隠れろ。
みんな急げ。早く早く。
ああ、ぺりぺり屋根がはがされてく。ちょうどいいあったかい布団だったのに。
もう一羽きた!お家なくなっちゃうよー。
みんな集まった?よくあることだ。大丈夫。
隣の枝に移ろう。この親子の鳥がいなくなったら。
隣の枝にもも大きな布団があるからね。
もうちょっと緑色の。その下で暮らそう。気分も変わって楽しいよ。
この家よりふわふわ。しっとり。香りも違うよ。
みんな気をつけて隣の枝に移ろうね。その間、鳥に食べられないように。
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